アニメ・こちら葛飾区亀有公園前派出所(その2)


聖なる夜の大陰謀・戦場のメリークリスマス(原題:平和サンタの巻)

 ある日、警視庁の一室でとある国の現状を映しだされた映像に警察幹部が目を通す。近日行われる国連主導の平和調停事業の説明がなされていた。その際に派遣される人員について、何故か出席した葛飾署の屯田署長が「一人適任者がいます」と満面の笑みで訴え出る。
 後日派出所に出勤した両津に部長と署長が、内戦が続く某国に、国連の依頼で調停のために派遣する『平和サンタ』ということで両津が派遣される運びとなったとのことだ。
 命令とはいえこんなムチャな任務を突っぱねるも、部長に強引に押し返され現地行きの輸送機に乗せられる。その様を見届けて部長と署長は「これでいい厄介払いができた」と意地悪く喜びあうのだった。
 なんでわしがとぼやく両津に、さらには現地上空から降下するようにも指示され、イヤがる両津は無理やり突き落とされる。それを確認して輸送機は一目散に飛び去っていくのだった。突き落とされた両津は何とかパラシュートを開くが、地上は政府軍の陣地だった。自分は停戦を訴えに来たと兵士たちに呼び掛けるも、聞き入れてはもらえずパラシュートを撃ち落とされる。
 地面に落ちざまに迫り来る兵士たちをアッパー一閃で撃退するも、一人の青年兵が日本語で話しかけてきた。以前出稼ぎで日本に来たことがあるその青年により、とりあえず話し合いの場を得る。
 両津もひとまず平和サンタの事情を話すが、青年はそのような話は聞いていないと返す。
「やっぱりわしをこの国に飛ばして始末するつもりだったんだな!?
と憤慨する両津に青年はついでにこの国の内情を語る。
 ここ数年の内戦に国は疲弊し、最近では敵の外人部隊が幅をきかせ終わるに終われない状態に陥っていたのだ。それを聞くやどうせ帰るなら内戦を終息させて手柄にしようと、ちょっとは義憤に燃えつつ現地兵たちに協力を約束する。
 ひとまず敵部隊の立てこもる砦付近に近付いた両津たち。渡された双眼鏡で部隊の隊長の姿を確認し、隊長の読んでいるボディビル雑誌に何やらを思いつく。
 護衛をつけずにゆっくりと前線に進み出し、何を思ったのか、両津はいきなり服を脱ぎ出し、モロ肌をさらけ出してのポージングを行った。すると敵部隊の隊長は何故かモロ肌脱いでのポージング勝負を挑んできた。
 しばらくポージング勝負を続けた後、お互いの健闘をたたえ合った後、お互いの部隊の戦闘中止を告げる。
 その後も裸の付き合いということで敵味方交えての宴会にもつれ込む。その中で両津は自らの身の上を打ち明け。早く帰りたいとももらす。
「俺たちにデキることアレば何デモ言ってクレ、ブラザー」と隊長が返すと、多少の思案の末、何やら悪だくみを思い付いた両津であった。
 それからややあって、警視庁と葛飾署を両津の手引きで外人部隊が占拠し、さしあたり総監をはじめ部長署長はもちろん中川や麗子、果ては婦警たちまでも平和サンタとして冬の寒空の下働かされることとなった。


真夏の大捕り物スペシャル・南の島の大決戦(原題:楽園のバカンスの巻)

今年の夏も派出所メンバーで南の島にバカンスに行くこととなった。
 南の島にてのバカンスを満喫しようとした両津たち、しかしそこに大阪通天閣所の連中が乱入してきた。
 聞けば大阪で頻発したヤミ金融事件を摘発するためにこの島にやって来たのだ、せっかくバカンスに来たのにと文句を言う両津、春もこちとら捜査のためにやってきたとやり返す。この場は中川が中に入り、春たちは麗子がその現場に送ってやることにする。もちろん両津たちも一緒に。
 何とか犯人を捕まえるも、それらはいわば隠れ蓑、結局操作を続行する春たち通天閣署の面々、しかし両津たちはバカンスのやり直しとコテージへと戻る。
 しかし、裏面では様々な思惑がうごめいて、ことに黒幕の一つである企業のボスは傭兵を派遣する。
 その夜、両津たちのコテージを今度は突然爆竜大佐が訪れた。また邪魔か来たと毒つく両津、しかし爆竜のいつにない真剣な口調にたじろきつつ一応事情を聴き、しぶしぶ協力を約束する。
 駆けつけた両津たちを待ち受けたのは凄腕の悪徳傭兵たち、そこでは春たちが捕まっていたのを何とか助け出し包囲網をかいくぐる。そして春も加勢して反撃に乗り出す。ことに両津はバカンスを台無しにされた恨みを込め完膚なきまでに叩きのめす。
 何とか全員をしょっ引いたが、黒幕の米国企業を何とかしない限りにはすべては解決しない。そこで爆竜がFBIに働きかけることを約束する。
 久しぶりの大手柄に両津も一件落着と、胸をなでおろした、しかし・・・・・。

 後日、通天閣所に1台の警視庁のパトカーが突っ込んできた。何と両津が東京まで走ってやって来たのであった。
 実はあの事件にて両津の功績を報告せず、おかげで両津は大量の始末書を書かされることとなった。まあやりすぎだったのは変わりはないのだが。
 ともかくも手柄を独り占めしたことに文句を言いにきた両津。しかし春も「細かいことにこだわんな、コツコツやる奴はご苦労様や」と軽くやり返す。
 結局怒り心頭の両津が春を追い回しておしまい、ということで。


叫べ!両津応援団の巻(原題:警視庁応援団)

 その日、地域活性化のために、葛飾署にても地域応援団を結成することに相成った。
 メンバーとして両津、ボルボ、左近寺が選ばれ、近隣の企業や工場にエールを送って回り、一応の評判を得るに至る。
 ところがそれに気をよくしたのか、今度は婦警たちのチアリーダーを結成することになり、彼女らの活躍により両津たちの出番は少なくなり、ついにはお払い箱になる。
 何とか見返してやろうと思案する両津たち、そこで本庁公安課の応援をして覚えをよくしようと企てる。
 その夜、港埠頭ではある裏取引が行われようとしていた。その現場を押さえようとする警視庁公安課の刑事たち、ことに課長の玉羅出警部は定年間近の最後の仕事ということで何とか有終の美をかざろうと意気込んでいた。しかしそこに両津たちが乱入し勝手にエールを送っていく。何事かと誰何する部下の刑事たち、しかし玉羅出警部は両津の姿に何かを思い出そうとしていた。直後警部は腹を押さえてうずくまる。持病の胃炎の発作が起こったのだ。そのすきに逃げようとする犯人たち。
「両津、あいつらを捕まえてくれ」という玉羅出警部の言葉に両津は指差した方に向かって突き進み、岸から離れる犯人たちの船に猛然と飛びかかる。

 結局犯人は捕まえたものの、勝手な行動をとって捜査の邪魔をしたかどで部長と署長に大目玉を喰らう。
 一方の両津も、玉羅出警部が自分の名前を呼んだこともあって、警部の邪魔をしたことに少し後悔して、何とか元気付けようと思案する。
 後日定年退職して警視庁を後にする玉羅出警部のもとに両津が現れる。今更何しに来たかと抗議する部下たちをよそに両津は警部に対してエールを送る。その声に圧倒される部下たち、しかし警部はそれに厳かに聞き入り、やがて「ありがとう」と深々と一礼する。
 実はその玉羅出警部はかつて刑事課にいたころの上司の南部刑事の親友で、今回の件について部長たちに弁明を言っておこうと両津と一緒に葛飾署へと足を運ぶのであった。


フランスの小さな薔薇・アニールモアンの巻(原題:来日・アニールモアン、ROSE OF ANIE)

ある日麗子の従妹のアニールモアンが来日することで、急用で行けない麗子に代わって両津と中川が迎えに行くことになる。
 空港にてその幼い少女アニーが迎えを待っていた。そこに置き引きにあうも、その犯人にフェンシング用のフルーレを突き付ける。実はアニーは子供ながらフェンシングの名手だったのだ。犯人がたじろいているすきに両津たちが駆けつけそのまま犯人を捕まえる。
 アニーを迎えた両津たちはアニーのたどたどしい言葉から何かを探していることをさとり、ひとまずは東京中のめぼしい場所を探して回る。そのうちに両津による下町散策に流れてしまった。
 ひとまずは喜んでくれたと思い両津は派出所に戻るも、部長は勝手につれ回したかどで両津を激しく責め立てる。しかしアニーは部長の足にしがみつき必死で両津をかばう。それにはさしもの部長もたじろいてしまう。
 後日、葛飾署の婦警たちはアニーが両津になついていることに大いに懸念する。それをよそに両津は檸檬にアニーを紹介し、ある程度の手合わせの後にやはり意気投合した。
 そこに駆けつけた麗子が言うには、アニー来日の目的は、かつて祖父が育てた幻の薔薇の手がかりが日本にあって、それを何とかして探し当てたいということだ。
こうして前もってアニーが差し出した幻の薔薇シャトーローズポプリを手掛かりに、両津たちは麗子と纏を伴って東京中の植物園や花屋を回ったが、一向にそれらしいものは見つからない。
 日が暮れて、へたりこんだアニーは麗子を通じてみんなに感謝しつつひとまずはあきらめることを伝える。そんなアニーをあきらめるなと叱咤し励ます檸檬。そこで両津は先のポプリを思い出し、海外で出張中の中川を軽く脅しつつ呼び寄せる。せっかくの取引を台無しにされ抗議する中川に両津は神妙な顔で件のボプリを差し出す。
 結局薔薇の手がかりが見つからず意気消沈するアニーと檸檬、そこに麗子がその幻の薔薇は祖父が長年品種改良したものであり、今薔薇の遺伝子を中川の研究所で調べ再現してくれると伝える。こうして2人は安堵するのだった。
 こうしてアニーは帰国し、後日アニーから両津のおじさまへと手紙が送られる。
 麗子が読む手紙には、薔薇の件での両津への感謝の言葉と、その薔薇を丹精に育てている旨を伝えていた。
 更には両津を祖父と同じような人で、再び来日するときには日本語を話せるようになりたいと麗子も苦笑混じりで付け加えると両津も思わず顔をほころばせる。
「また、会えるといいな」と椅子を背にフランスのアニーに思いを致す両津だった。


飛び出せ!両津の地球防衛隊(原題:時給1万円のバイトの巻)

 ある日、勘兵衛の航空会社からの、高額のバイトがあるという報せから駆け付けた両津。
 中型の飛行機に乗れるということで、喜び勇んで乗り込んだが、それは飛行機型のスペースシャトルだったのだ。
「話がちがう」と文句を言ううちにシャトルは中川重工の宇宙ステーションにたどり着く。
 実は先に両津たちが検挙した犯罪組織が宇宙で暗躍をしているということでそれの迎撃に呼び出されたのだった。
 結局体のいいお仕事に文句を言いつつ、先の戦闘機に乗って周辺の調査に向かう。そこには巨大な宇宙船が横たわり、いざ近づこうとすると、容赦のない猛攻撃が浴びせられる。しかし持ち前の根性と闘争本能で何とか撃沈。しかし次から次へと現れる宇宙船群に翻弄させられる。
 ひとまず補給のためにステーションに戻り、今後の作戦を検討しようとした矢先、一方の組織も迎撃してきたのがあの両津であったことから、直ちに総攻撃の命令を下す。はたして総攻撃を受けた両津はステーションの陥落とともに脱出する。
 それからも大規模な敵の攻撃を何とかかわし、前もって調べた敵の本拠地についにたどり着き、いつもながらの大暴れを展開する。
 こうして事件は解決しひと安心といいたいところだったが、何と両津が組織を乗っ取り、宇宙海賊として暴れまわっているそうな。


雑学くんのオコメアート(原題:意外と器用な雑学の巻)

 その日も新任の雑学くんが同僚にウンチクをたれまくっていた。が、今日は両津との当直の日、いつものようにウンチクをたれるわけにはいかない。
 そんな雑学くんも器用にツマヨウジに細工をする両津をみやる。大して両津もお前もやってみるかと持ちかけ、はじめ手間取るもやがては何とか形になる。
 知人にお米のアートを持ちかけられる両津は、雑学くんにも手伝わせる。しかし雑学くんの能力を買って本署から出張を命じられ、出かけてしまい、結局は自分がすべてを手掛けるに至る。
 ようやく完成して一休みする両津をよそに、署内からの贈り物として炊飯器をもらった部長がやってきて、偶然両津のコメを見つけて炊いてしまう。
苦労して描いたコメのアートを炊かれてゴハンにされ、意気消沈の両津。ゴハンに描かれた顔写真に気付き驚嘆する中川たちと、コメはゴハンにして食べるものだとあきれ顔でたしなめる部長。
 しかし一月後、アイドルイラスト入りオニギリを売り込む両津。もちろん本田をはじめ残念くんと雑学くんをこき使って。
そんな様を毒つきつつ、どうしてくれようかと見やる部長と署長を中川はたしなめるのだった


冒険!サバイバルアイランドの巻(原題:オンラインサバゲー?の巻 夏の冒険島の巻)

 ある日、両津たちが仲間内でのサバイバルゲームの予定だったが、あいにくの雨で中止となった。そこでテレビゲームで今人気のオンラインサバゲーで楽しむことにする。
 しばらく楽しんでいるうちに休暇中のボルボとジョディーが、さらには部長署長の孫たちも参加し、さらには一緒にゲームに付き合っていた部長に孫たちを守るよう言いつけられる。
 こうして部長の監視付きで、まるでシロウトの孫たちを守りながらのプレイ、まして相手は戦いのプロのジョディーたち。両津が手加減しろといっても、プロの誇りのため突っぱねられる。
 結局敵味方に追い詰められ、ジョディーが狙った孫たちを両津がかばい、ついに両津チームが負けてしまう。

 それから何度か孫たちにゲームに付き合わされ、流石に疲労困憊の両津にジョディーが直接訪れ、このままではあの子たちのためにはならないと、一つ提案をしてきた。
 後日、両津と中川、ボルボとジョディーが子供たちをとある孤島でサバイバルキャンプに誘う、もちろん部長署長に無断で。もしもの時を考えて、残念を連絡役に据えて一行はその島へと向かう。当然部長署長に知れ渡るのは時間の問題だった。
 島の生活は一切の電子機器(連絡用無線は別)持ち込み禁止の、素のサバイバルライフ体験が中心で、もちろんキャンプ感覚で楽しむことができた。
 そんなある日の夜、台風が島に直撃するという。両津たちは島の宿舎小屋の補強に取り掛かる。もちろん子供たちも一緒に。しかし作業を率先して手伝ったのは部長署長の孫たちだったのだ。
 次の日救助に当たった爆竜隊。そこには部長署長も駆け付け浜辺につくと先陣を切って怒鳴りこんでいく。しかし森の中からロープ伝いに飛んできたのは何と孫たちだったのだ。彼らは今日までのサバイバルライフにて心身ともに成長していたのだ。もちろんジョディーたちの指導が行きとどいていたのは言うまでもないが。
 ともかくも孫たちの立派な姿に、さしもの部長署長も文句を言おうにも結局言えずじまいになってしまった。
 こうして気を良くした両津は、今度は葛飾署をツリーハウスにして、当面の間そこで部長署長をはじめ署員全員がサバイバルライフを満喫する羽目となってしまったのだ。


両さん放浪記(HPオリジナルエピソード・旧題:独裁者の巻・2013)

 先の富士駅伝にて優勝できなかったことで葛飾署をクビになった両津。しかもその前に痛めた足を駅伝での酷使でさらに悪化して絶対安静なところ、入院に必要な公務員保健が使えなくなり、加えて借金等の財政的理由からどこの病院にも受け入れてもらえない状態で、現在裏通りにてホームレスと一緒にその傷を癒やしていた。
しかしここのところ葛飾署管内の治安が急激に悪化。事態を重く見た署内での会議で街中を暴れ回っている犯罪者たちはかつて両津が捕まえたものたちで、両津がクビになったのを機にまた暴れ出したのだという。
自体打開のために裏通りでたたずむ両津を無理やり引きずり出し暴徒鎮圧を命ずる部長。しかし暴徒たちに飛び出るや否や、首をロープで縛られた上、バイクで引きずり回される始末だった。
後に夢の島ですっかりズタボロになっていた両津。再び署内に突き出され、暴徒鎮圧にしくじった罪でお仕置きは生ぬるいと、江戸幕府からの仕置人を祖とする仕置刑事に仕置を受けることとなった。

数日後、静かになったがどこか物足りない感もある派出所で両津の安否を気づかう中川たち。しかしそこに公安の刑事が顔を出し、超法規的措置により両津に肩入れすることを禁ずる旨を告げる。
それは実家の両津家、超神田寿司にても同じ旨が伝えられていた。ただ公安を退職した玉羅手元警部は冷ややかな目で見守っていたのだが。
そんな両津、今やホームレスして未だ回復しない足を引きずりながらあとどもなく街をさまようも、婦警連中のミニパトにぶつけられてはからかわれ、文句を言おうにも駆け付けた仕置刑事に打ちのめされる始末。
打ちのめされる中息絶え絶えになりつつある両津。しかしそれを止めたのは同じホームレスで知り合いになった中村さんだった。
仕置の邪魔として公務執行妨害と反発する仕置刑事たち、しかし剣道の有段者だった中村さんは棒きれで刑事たちを退ける。
そんな中村さんたちに介抱される両津。
「無理難題を押し付けて、いざダメとなったらボロクズのように捨てやがって」とこぼすも、
中村さんも「たしかに大原や屯田もやりすぎたな」と返す。実は中村さんは元学生運動の運動員で当時巡査だった部長や署長とも抗争し、かつて刑事課の南部と公安の玉羅出に逮捕されて服役の後にホームレスとして今に至ったのだ。
ともかくなんとか部長や署長を見返してやろうと告げる両津に、中村さんは何やらの指示を伝える。一方警視庁では件の仕置刑事が倒されたことを機に公安に両津の監視を強化するよう指示するのだが。
そんな両津たちは、近隣をたむろする犯罪者、未だ逃走を続けている暴徒たちを捕縛するも、何故か本署に連行せず自分の味方に取り込み、さらなる犯罪者の摘発に乗り出していっては自らの勢力を拡大する。やがてその両津組は密かに葛飾署を乗っ取る計画を立てる。
当然署内でもいわゆる両津組の動向は懸念されていたが、両津組の方はさらに綿密だった。署員一人一人に監視の目がはびこっていて、さらには署員の中にも内通者を生み出す始末。
一方の公安も玉羅出元警部の介入で監視を止められていたのだ。やはり玉羅出氏も部長や署長の両津への対応には批判的だったのだ。
こうして両津の計画は実行され、まずは他区からの犯罪者を葛飾署に誘導し、それらに暴動を起こさせ、その鎮圧のどさくさに部長と署長宅、女子寮をはじめ署内各施設に押し入って確保し、最後両津が署長室を占拠。ここに葛飾署乗っ取り計画は成功してしまった。後にホームレスに身を落とす部長と署長。孫や妻が心配して家に帰るよう呼び掛けるが、もはや動く気力がない。
そこに葛飾新署長就任パレードということで、バニーガール姿で首輪をはめられた早乙女や春が手下にムチで打たれつつ山車を引っ張り、山車の上では同じくバニーガール姿の纏や早矢たちをはべらせ、脇には中川、本田、ボルボが執事姿で立っていて、さらには檸檬を膝に置いた両津が玉座に座っていた。
時折愚痴をこぼす春たちを、結局両津の子分となった元犯罪者たちがさらに痛めつけては山車を引っ張らせる、麗子がやりすぎと両津に訴えるも、自分より体が丈夫だと両津も返す。
やがて山車は部長の目の前にさしかかり。群衆の中の部長に気付いてか「どうだ、人間てっぺんに上り詰めなきゃ意味ねえだろ」と高らかに告げる、その言葉に部長も「ちがう・・・お前は、間違って、いるぞ・・・・・」と弱弱しく返す。
そして同じく傍らの爆竜、剣之助、夏春都が拳を鳴らしながら相槌を打つのだ。

そして後日、ふたたびホームレスとして路上で寝ころがる両津の姿があった。
「はかない夢だったなあ・・・・・」と力なく横たわる両津。
「先輩、もう帰りましょう」と中川がたしなめるも「もう帰ってくるな」と部長も先の騒動を受けてか両津に言い渡す。

ちなみに中村さんはあの騒動の後、家族のもとに帰って今は平穏な日々を過ごしていったのだった。


正義のおまわりさんの巻(HPオリジナルエピソード)

 先の富士駅伝で優勝できなかったことで葛飾署をクビになった両津。加えて負傷してボロボロになって動けない状態になっていた。
 見舞いにやってきた檸檬と纏。心配げに気遣う檸檬、そして纏はある決心を固めていた。
 次の日、葛飾署に赴いた纏は署長室付近の行列に出くわし、その一人が最後尾を指し示す。ひとまずそこへと向かう途中、婦警たちが駆けつける。「やっぱり辞めるのか」との問いに「なぜ分かったのか」と返す。
 その行列は両津がクビになったことでの抗議で辞表を出すための行列だったのだ。
 やがて早乙女や小町も辞表を出す。両津がいない葛飾署はつまらない、とのことだ。
 後に大量の辞表が置かれた机を前に憔悴しきった署長を訪ねた部長と中川、なぜこうなったのかとこぼす署長に中川が「安易に先輩をクビにしたからだ」と返す。その言葉に部長もショックを受け「いい厄介払いができたのに」と署長が嘆きの声をあげる。
 さらに問題は本庁でのサボタージュが相次ぎ、孫たちも両津のクビを取り消すようデモに参加し、やがては葛飾区内で凶悪犯罪が多発するようになった。それにも中川が説明する。葛飾区内が比較的平和なのは両津がにらみをきかせてきたからで、それがいない今、抑えられていたものが一気に噴き出したのだ。
 わずかな署員とともに事件の一つである人質立てこもりの現場にあたる部長と署長。しかし武装した犯人を前に為す術もないかに見えた。
 その様子は病院の両津もテレビで観ていたが「わしには関係ない」と背中を向ける。浅草の浅草寺が放火され全焼していく様子も同じ態度。そのうち人質の人の子供が部長に助けを求める場面が映ったが。
 そうこうと膠着状態に陥った中、なんと松葉杖の両津が先に辞めた本田のバイクに乗って現れた。バイクから降りて立てこもった建物に近づく両津。犯人が発砲するも、それをすんででかわす。しかしかわした先でまた頭をぶつけ痛がるも「ずっこけてるヒマはねえ」と起き上がり歩を進める。そこでかけつけようとする署員を「邪魔をするんじゃねえ」と本田が制する。
「クビになったらなったでこのザマだ。わしがいない間とばかりにこいつらが暴れたんだったら、わしがいっちょ取り締まらなきゃならねえ。どうせわしの責任だ」

 やがて両津か建物に入り、数十分の怒号と沈黙の末、両津が泣きながら連れられる犯人と人質を伴って出てきたのだ。
 解放された人質の子供は「ありがとうお巡りさん」と感謝すると「わしはもうお巡りさんじゃねえよ」と返し、本田とともに次の事件現場に向かう。その有り様を呆然と見守る部長と署長。
 その後、両津は各地の事件現場に駆け付け、すべて説得の末に解決に至り、一連の犯罪騒ぎは終息した。
 やがて中川財閥の力で浅草寺も修復。両津もけがを押して修復に協力する。そのことがあって、両津は葛飾署に復帰、ついでに本田や纏も辞表を取り消し、葛飾署ににも平穏が戻ったのだ。
「まったく都合よくこき使いやがって」
 と文句を言いつつ、後日書類に署名する両津。そこに部長と署長が現れて、
「両津、いつもお疲れさん、まあお茶でもどうだ」と部長が、
「浅草寺からお礼のお菓子を贈られたぞ」と署長がそれぞれ労うのだが。
「また何か企んでるんじゃないでしょうね」と両津は訝るのみであった。
 まあほとぼりが覚めるまではと中川は思うが、ひとまず葛飾は平和だった。


原始家族の巻:第2話(こち亀オリジナルエピソード)

 時ははるか太古の昔、人と恐竜がいまだに共存している時代。とある村落で治安を守っている一人の男がいた。名をリョウ(両津)という少々クセのある男であった。
 その日もパトロールに街中を回っているリョウは、突然ツノ竜に後ろからはねられる。リョウ抗議の声を挙げるも乗っていたフケイ族のリカ(早乙女)は取り合わない。さらに抗議をしようにも割って入った親父のブウ(大原部長)にたしなめられる始末。
 結局はねられ損となった形のリョウ。そこに小型肉食竜乗りのホン(本田)が近づき、後に見回りのネン(残念)を交え、近くの食堂でクダを巻く。
 そんなネンから最近盗賊団が近隣で暴れ回っていることを聞き、ここでリョウの出番だと持ちかけるも、先ほどのこともありどうも乗り気ではない。
 結局その日は見回りを早めに切り上げ、ケイ(中川)とレイ(麗子)の心配をよそに自室で不貞寝をする。
 同じ頃、家路につこうとするリカたちは突如落石に見舞われ、岩をどけようとする中、さらに1体の人影が舞い降りる。その人影に詰め寄ろうとするリカだったが、張り飛ばされて岩壁に頭を打ちそのまま気を失い、残りの女の子たちも現れた男たちに捕まってしまう。彼らこそが件の盗賊団だったのだ。
 その報は自警団にも伝わるも、リョウだけは不貞寝を続けるのだが、祖母のゲバ(夏春都)に「どんなにバカにされても、いざとなれば男意気を見せるのが本当の男ってもんだよ」と諭される。その言葉に半ば面倒くさがりながらも、ホン、ネンとともに現場に急行する。
 リカたちが気がついたそこは盗賊団が巣食っている洞窟のアジトだった。頭目が言うには高値で海の向こうに売り飛ばすということだ。ネンの調べでアジトを突き止めたリョウたち。そこでは彼の猿人が入口を守っていた。そこでネンを囮にして潜入しようとする。はたして猿人はネンの顔立ちから仲間だと思い込みそのまま意気投合する。更に何故かネンは猿人ボケツンの言葉を理解でき、そのボケツンが言うには盗賊団にさらわれて彼らの用心棒にさせられていたということだ。こうして猿人ボケツンを封じ、残るは盗賊団のみである。
 踏み込んだリョウには棍棒で応戦するも、リョウの石頭からかまるで歯が立たなく、ついには取り押さえられる。
「わしはな、女に手を掛ける奴は大嫌いだ。ちったあ痛みを思い知りやがれ」
 傍らの牢屋で閉じ込められていたリカたちは、盗賊たちと大立ち回りを繰り広げるリョウの雄姿を静かに見守っていたのだ。
 この大捕物にてリーダー以下盗賊団は逮捕され、村外れの牢獄に収監され、一方ネンの説得を受け入れた猿人ボケツンは自警団の計らいで故郷の南の島に帰っていった。
 こうして、村の争乱はおさまり、リョウたちも復興にいそしんでいた。そこにリカたちがリョウを囃し立ててからかいつつも、ツノ竜で資材を運んでいた。
リョウ「まったく、都合のいいときにこき使いやがって」
ケイ「まあそれでも、兄さんをたよりにしてるんですよ」
 ともかくも、村もますます発展していくのだった。


両津プランテーションの巻(HPオリジナル)

 コーヒー農場での悪徳商売がバレて、今度は紅茶農場に飛ばされた両津。また新たな悪徳商売を始めるのかと懸念する部長と中川。まずは本田と残念を監視のために派遣するが。
 その懸念通りに、両津はお得意の人たらしで農場を掌握。今度は一大プランテーションを開くこととなった。とはいえまた部長たちに邪魔されるわけにはいかず、ひとまずは事業拡大に専念し、ついでに学校をはじめ村の開発にも尽力する。
 一方で両津のプランテーションの近くには一大麻薬プランテーションが存在し、それを知った部長たちは接触を危惧し今度は爆竜に監視を要請する。
「今度こそ刑務所送りにして終身刑にしてやる」と毒つく部長に対し、中川は麻薬には手を出さないとある程度は信じているのだが。

 一方の両津も派遣された本田と残念を引きずり込んで働かせながら、近いうちに部長への仕返しを目論んでいた。だがある日、いじめられている子供を助けて事情を聞けば、近隣の麻薬組織に両親を殺され身寄りを失っていたということだ。それを聞いた両津に静かな怒りの炎が灯る。
 その夜、少年から聞き出した組織の拠点に、本田と残念を引き連れて乗り込む。まず借り受けたスクーターでイヤがる本田を乗せ、バイカー人格を引き出し突っ込ませる。続いて残念の武術で警備を退け、最後に両津の特攻で中枢を制圧。その後両津を監視していた爆竜に連絡して事後処理を任せることにした。

 後日両津は派出所で勤務をしていた。あの事件以来麻薬農場を制圧してお茶農場に変え、それと同時にプランテーションも解散。農場を村人の自治に委ねることとなった。当然あの少年も村人たちに大事に育てられることとなった。
 両津の久々の大手柄と変心に信じられない部長をなだめる中川。同じく麗子は送られた紅茶を淹れて両津に差し出す。「なんで湯飲みで紅茶を淹れるんだ」と文句を言いつつも農場の村人に想いをはせる両津だった。